素材/性能

希少金属のコバルトは直近数年で3~4倍にも価格高騰。
それでもなおコバルトシザーズ総合メーカーとして存在し続ける理由は、
本当に使える 技術者の最良の道具をごまかし無く造り提供したい、それでしかない。

素材/品質



品番への素材表記、品質と責任
品番への素材表記、品質と責任

素材/品質
※ シザーズの用途によって、素材指定となる製品もございます。

素材の表示
素材の表示

コバルト合金とコバルト基合金は別物である。


コバルトという名だけで高級品・高額品としてハサミが販売されている現状は、誠に嘆かわしい。

この素材の持ち味を引き出す特別な「造り」にこそ価値があり、そして機能が備わるのである。
コバルトという素材を使えば、誰が造っても、誰が使っても優秀な道具となるのであれば、今以上に普及しているだろう。

近年、表示偽装問題に啓発され、いままでコバルト製として販売されてきたハサミから、
ことごとく、そしてさり気なくその表示が取り消され「Co系~」や具体的含有率を示さない「コバルト含有鋼」として再登場しているものも散見される。
同時に、根拠なく「切れ味はコバルト級」「コバルトを超えた耐摩耗性」「コバルトを凌ぐ永切れ」等々、コバルト表示と入れ替わるように増えてきた。
「コバルトです」と表示できなくなればこのような始末であり、結局は常にコバルトとの比較でしか自己主張できぬごまかしなのである。

つまり、1960年代ヴィダルサスーン登場以来のおよそ50年、技術者が求めメーカーが目指してきた品質は、コバルト の品質なのである。
そして、ヴィダルサスーンを踏襲し、プロシザーズの正統として歩んできたKIKU COBALTの牽引してきた歴史を追従しているのである。


【コバルト合金】   
コバルトを含む二種類以上の金属を混合した材料、もしくは少量の非金属を添加し金属的性質をもつ材料。
元々は金属の材料強度向上が目的であったが、組成を調整することで様々な用途に応じた性質をもつ合金が生産利用できるようになった。
合金成分のうちある元素が主成分と見なせる場合にその元素を冠して、“アルミニウム合金”や“マグネシウム合金”と呼ぶが、
コバルト含有率や主要成分元素数に制限はなく、わずかな1%程度のわずかなコバルト含有率であってもコバルト合金(合金鋼)と呼べる。
特定の配合により開発された合金には、歴史的あるいは商標としての独自の名称をもつ合金も存在する。


【コバルト基合金】
二種類以上の混合金属材料(合金)であるが、その主要成分及び金属的性質がコバルトに属する材料に限定される。
基という意味は基材・基質というように“土台となる成分”である。
コバルト基合金は、Coを50%以上含有しそのコバルト基質を保ちながら、生産利用用途に応じて他成分を添加したものである。

コバルト合金とコバルト基合金

このようにコバルト合金とコバルト基合金では金属性質が全く異なり、希少金属としての価値にも雲泥の差がある。
理美容現場で求められるコバルト(コバルト基合金)の圧倒的な強さ(耐酸性、耐蝕性、耐摩耗性、強度・靱性)は、残念ながら一般的なコバルト合金材では実用レベルに到底及ばないという自社データもある。



一般的なコバルト合金鋼 ➤
一般的なコバルト合金鋼

コバルト元素は配合されているが、その主要成分及び金属的性質がコバルトに属するものとはいえない。わずか1%程度のコバルト含有率でありながらも、コバルト合金(合金鋼)と表記されている。

配列を流線化 ➤
配列を流線化

日本古来の伝統的刃物製法と独自の開発技術により、元素配列を流線化(規則正しく並べること)させることに成功。これにより元素間空間を確保。

組織の高密化 ➤
組織の高密化

配列の流線化により生じた空間をを圧縮することにより、組織のさらなる高密度化を実現。これにより硬度、粘度そして耐蝕性が飛躍的に向上。

Dry COBALT
Dry COBALT

つまり、素材成分表に基づく一般的区分としてはコバルト合金鋼でありながら、圧倒的に向上したコバルトの絶対的含有量と各元素の高密度により実現された硬度、粘度そして耐蝕性は、最高品質である。



コバルト100%はないのか?

理美容現場に通用するハサミの素材としてコバルトの純度・含有率が重要であることが理解できると、もしかしたらこのような疑問を抱くかもしれない。純金(金率99.99%)、純銀(銀率99.99%)というような意味に立った純コバルト(コバルト率99.99%)というハサミは実用的には存在せず、造ったとしても刃物としては役に立たない。


すなわち、コバルトの特性を持ちながらも刃物としてよく切れ、永く切れる強い素材であることが、理美容現場で求められるハサミの素材なのである。