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COBALT

堅牢、信頼、高貴。
美容現場で通用する最も強く、価値ある素材。

COBALT



Report 3  人体必須元素
人体必須元素

原子番号27、元素記号“Co”。
鉄に近い硬度と強度を兼ね備えたこの金属は鉄族元素のひとつであり、
純粋な物は銀白色である。
鉄より酸化されにくく、酸や塩基にも非常に強い。


我々の日常生活にも不可欠な存在であり、
人が生命を維持していくためのミネラル源として必須である。
カリウム、カルシウムそしてマグネシウム等のミネラルとは異なり、ビタミンB12を構成する成分の一つがコバルトである。
貧血や食欲低下は、
骨髄の造血作用や赤血球の形成に不可欠なこのビタミンB12の不足によっても生じる。
ビタミンB12の含有量が多い食材としては、
牡蠣、牛乳、レバーや卵などであり大変身近な食品に含まれている。


つまりコバルトは、
人体にとってごく微量ながらも他の元素では代替することができない物質である。


一方で、コバルトが人体に有害であるという意見もあるが、全く説明が足りていない。


天然のコバルト質量数は全て59であり、
つまり自然界には陽子と中性子を合計59個持つ「コバルト59」だけが存在する。
このコバルト59の主用途としては、
顔料や鋼材合金の原料であり、
手で触れても全く無害である。


また、変形性膝関節症に代表される代替医療では、
人工関節置換術が適応される。
文字通り、変形し擦り減った骨端と骨端を人工的に造った金属で覆ってしまい人工関節を再建することで、
本来の運動機能を取り戻そうとする手術である。


膝のみならず股関節、ひじ関節、肩関節等々でも行われている。
関節であるから骨と骨がグリグリと擦れ合い摩擦が生じることは想像できるが、
この面を摺動面(しゅうどうめん)と言いどんなに硬い金属を用いても摩擦により摩耗しどんどん金属が擦り減ってしまう。
そこで用いられるようになったのがコバルト合金である。


つまり、医療基準において非常に高い耐摩耗性を有し、
人体内に埋植する人工物としてその安全性が長期成績として担保されている。
人工関節へ用いる金属材料には非常に永い苦悩の研究の歴史があり、
このコバルト合金は生体親和性の高い夢の材料として現在なお用いられている。


それに対し「コバルト60」と呼ばれる質量数60のコバルトは、
天然のコバルト59に原子炉内で中性子を照射・吸収させる方法により人工的に製造される。
人工放射性同位体であるコバルト60は強力なγ線源であるわけだが、
そのパワーが悪性腫瘍の治療や医療用具の滅菌、非破壊検査などのとりわけ医療現場で幅広く活用されている。


また、世界保健機構(WHO)は、規制値を定めて農作物の発芽防止や畜産水産物の殺菌などに放射線照射を推進している。
最近では日本においても、ジャガイモの発芽防止などにコバルト60が活用されている。