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Dry COBALT

DRY環境で使われるブラントカット、スライド&ストロークカットを全てこの一丁で。
コバルトシザーズ総合メーカーKIKU OKAWAの、NewスタンダードにしてTopスタンダード。

Dry COBALT



Report 2  ドライカットの登場とハサミへの要求
ドライカットの登場とハサミへの要求
カットスタイル/技法の変化と道具

ここで一つ、重要な共通理解を得ておく必要がある。

ドライカット(dry cut)とはなにか?

実は多くの技術者が意味を取り違え曖昧に使用してしまっていることで、真意を知ると悲劇に直面する場合もある。ドライカットとは、スライドカットやストロークカットを指す用語ではない。毛髪を濡らし柔らかな状態でカットしていくウェットカット(wet cut)に対するカット方法で、乾燥した硬い毛髪をカットしていく方法がドライカットである。つまり、ウェットカット以外は全てドライカットということになる。

スライドカットやストロークカットとは、毛髪上でハサミを滑らせながら削ぎ切りしていくカット方法でドライやウェットという髪質環境に限定されるものではない。広い見識を持って世界を見渡せば、ウェット環境下において特に刃先使ってスライド/ストロークカットを行う流派もあることがすぐにわかるだろう。

ドライカット用のハサミはないか?

こういった問い合わせが増えているが、本来の正しい語彙に則ってお答えするならば「KIKU SCISSORSは全製品ドライカット仕様です」となる。ドライカットで使える素材と造りであるということは、それより柔らかい毛髪を切っていくウェットカットは楽勝だから、一丁でDry/Wet兼用ということになる。

ところが、“ドライカット=スライド&ストロークカット”という誤った認識の技術者は、ドライカットシザーズを手にしたまではよいものの、毛髪の上を滑らせると“なんだか引っかかってしまい滑りが悪い、使えない”という悲劇に陥ってしまう。当然と言えば当然だが、ブラントカットのように狙った長さを逃がさずきっちり正確に切るシザーと、毛を滑らせ逃がしながらカットするスライド&ストロークカットシザーが同じ一丁のハサミで実現できるだろうか?矛盾に気づいてほしい。中には器用な技術者もいて不自由なく一丁で全ての仕事を遂行してしまうケースを否定しないが、ハサミへの負担は当然大きくなり永い目で見ればハサミの消耗は圧倒的に大きくなる。

KIKU OKAWAより直接購入された技術者であれば、どのようなハサミをいつから所有し、現在までに何度の修理を受け、そしてその修理内容からどのような使い方をされているのか、そういった個別データまでもが厳重に管理されている。これらの膨大な量の統計データから裏打ちされた一つの結果として、やはりブラント用カットシザーズとスライド&ストロークカット用の笹刃シザーズを使い分けた方が、圧倒的に長持ちし経済的である。もちろんこれらはどちらもドライ環境下で使える強い素材と造りのものが望まれる。スライド&ストロークカットに特化したシザーであれば笹刃という形状のハサミを選択する事が基本中の基本なのである。

ドライで使えるスライド/ストロークカットシザーは無いか?

このようにシザーメーカーへ問い合わせれば、間違いの無い買い物ができる。
さて、それではあなたのハサミは一体何者だろうか?

形あるものを生み出すという意味では技術者も職人、我々も職人である。職人仕事は、道具一つで楽しくもなり、辛くもなる。落ち込むことなく、ぜひ自分の技術よりもワンランク上質な道具を手にするよう心掛けていただきたい。結局はそれが技術向上の近道でもある。




魔法のハサミ COBALT scissors

コバルトシザーズの歴史は、造り販売して40年。弊社のコバルトシザーズは、60%以上がハードコバルト(KIKU SCISSORSだけ)。 ドライ・チョップ・スライド・ストロークと ハサミをDRY環境で酷使するカットスタイルの現在、弊社は本物のコバルト材(金属メーカー純正ハードコバルト材)でコバルトシザーズを造っており、他の一般に言われている所のコバルトシザーズとは全く違うものである。

サビることのないCOBALT scissorsは、ステンレス scissorsに見られるサビ要因の刃の切れ味不良がない。現場で使われる多種多彩なコールド薬液等で、切れ味が低下する心配もない。コバルト合金は、人工関節の摺動面(擦れ合う部分)にも採用され医療基準でもその圧倒的な耐摩耗性が信頼されており、すなわち実用的にはほどんど擦り減らず、大事に使えば他材に比べ抜群に経済的である。また、インプラントとして生体内へ用いる固定材料であることからも、生体親和性に優れた安心な素材としても珍重・重宝されている。COBALTを称する他社製品では、刃の一部だけにコバルト材を用いるものがあるが、ハサミに加わる最も大きな摩擦は触点(ネジ部/ネジ下部)であることを考えると、それでは十分とは言えない。KIKU OKAWAでは刃から触点に至る、つまり摩擦が起こる刃全体に余すところなく高品質なコバルト材が用いられており、誤魔化しのない仕立てを貫徹している。また、摩擦に強いコバルト材は熱処理工程(焼き入れ)が必要なく、よっていつまでも均一で高品質、新品の切れ味が何度でも続くのである。

KIKU OKAWAのSCISSORS COLLECTIONは、ひとつの道具として虚飾を排したシンプルな それでいて格調高いデザインと仕上げは、全てのヘアアーティストに軽快で心地よいカッティングワークをお約束する。